その水の飲み方、命の危険も?「水中毒」の症状と原因、適切な飲み方を知って熱中症・脱水症対策まで徹底解説

厳しい暑さが続くと「熱中症対策のために水を飲まなくては」と意識する方も多いのではないでしょうか。
しかし、度を超えた水分補給が「水中毒」という状態を招く可能性があることは、まだあまり知られていないかもしれません。
「え、お水の飲みすぎで?」
そう思われるのも、もっともなことです。
しかし、時としてよかれと思った行動が、意図せずして体の負担となるケースも考えられます。
水中毒とは、体内の水分バランスが崩れることで、場合によっては医療的な対応が必要になることもある状態です。
この記事では、水中毒がなぜ起こるのかというメカニズム、体が発するサイン、そしてご自身と大切なご家族の健康を守る一助となる「適切な水分補給」について解説します。
1. 「水中毒」とは何か?その危険なメカニズムと症状
まず「水中毒」について知ることが、何よりも確かな備えとなるでしょう。
目次
1-1. 過剰な水分摂取が引き起こす「低ナトリウム血症」
水中毒の背景には、多くの場合「低ナトリウム血症」という状態が関係しています。
これは、血液中の水分量が過剰になり、相対的にナトリウム濃度が低下した状態を指します。
私たちの体は、ナトリウムなどの電解質によって常に絶妙なバランスが保たれています。
ここに、電解質を含まない水分だけを一度に大量に摂取すると、どうなるでしょうか。
体内の電解質バランスが崩れ、血液中のナトリウム濃度が低下し、体の水分バランスに影響を与えてしまう可能性があるのです。
1-2. 水中毒の具体的な症状リスト(初期症状から重篤な症状まで)
体が発するサインに、気を配りたいものです。
【「あれ?」と感じる、見過ごしやすい初期症状】
- なんとなく、めまいがする
- 頭が重く感じる
- 体が重くてだるい(疲労感)
- トイレが近い(頻尿・多尿)
- 胃の不快感(軽い吐き気)
これらの初期症状は「夏バテかな?」など、ほかの体調不良と間違えやすいともいわれており、注意が必要かもしれません。
まさか水分補給が原因とは、なかなか思い至らないものです。
そして、このサインに気づかずに水分をとり続けてしまうと、症状が進行してしまうことがあります。
【注意したい症状】
- 嘔吐
- 手足のむくみ
- 混乱
- 意識がはっきりしない(意識障害)
- けいれん
- 呼吸が苦しい(呼吸困難)
もしご自身や周りの方にこのような症状が見られたら、速やかに医療機関にご相談ください。
1-3. 海外の死亡事例と、見過ごせないリスク
「でも、そんな状態になるのはまれなのでは?」
そう思われるかもしれません。
ですが、これは決して特別な話ではないのです。
海外では、ラジオ番組の企画で水を大量に飲むことに挑戦した女性が、数時間に約7.6Lもの水を飲んだ後に亡くなるという事故が実際に起きました。
この出来事は、私たちに「水の飲み方を間違えると命に関わる」というリスクを感じさせます。
水中毒は、適切な知識を持つことが予防の第一歩といえるでしょう。
2. あなたは大丈夫?一日に必要な水分量の基礎知識
では、私たちは一体どれくらいの水を、どのように飲めばよいのでしょうか。
ここからは、ご自身とご家族の健康のために「水との上手な付き合い方」について考えてみましょう。
2-1. 人が一日に必要とする水分量の内訳
よく「一日に2Lの水を飲むとよい」といわれますが、これには食事から摂取する水分が含まれていない場合があるようです。
成人が一日に必要とする水分約2.5Lの目安は、次のようにいわれています。
- 食事からとる水分:約1.0L
- 体内で作られる水分:約0.3L
- 飲み水からとるべき水分:約1.2L
私たちは普段の食事から、実に1Lもの水分を摂取しているといわれています。
そのため、純粋な「飲み水」として意識するのは1.2Lあたりが、一つの目安になるのではないでしょうか。
もちろん、汗をたくさんかいた日などは、その分を追加で補給することが望ましいでしょう。
2-2. 「一日3L以上」は要注意?水中毒のリスクが高まる摂取量
では、どのあたりから「飲みすぎ」の可能性を考えたほうがよいのでしょうか。
個人差はありますが、一日の水分摂取量が3Lを超えてくると、水中毒のリスクが考えられるようになります。
しかし、リスクを高める要因は、量そのものよりも「飲むスピード」にあるといわれています。
1時間に1L以上飲むような「一気飲み」は、体内のバランスに影響を与える可能性があるため、注意が必要かもしれません。
2-3. こんな人は特に注意!水中毒になりやすい状況
ご自身や大切なご家族はいかがでしょうか。
次のようなシーンでは特に注意が必要です。
- 汗をかくスポーツをする方:運動後は、塩分補給も考慮したバランスのよい水分補給が大切になるでしょう。
- 多飲の傾向がある方:薬の副作用や体調の変化により、無意識に水分摂取量が増える場合があるかもしれません。
- 小さなお子様:体の機能が発達途中のお子様は、年齢に応じた水分補給を心がけることが大切です。
「水分補給は、ただ水を飲むこと」と捉えるだけでなく、バランスを意識することが大切です。
3. 水分補給時の水中毒を予防する3つのポイント
ここからは、健やかな毎日を送るための、具体的な水分補給のポイントをご紹介します。
3-1. ポイント①:「喉が渇く前」に「こまめに」飲む習慣
「渇いたから飲む」から「渇く前に、こまめに飲む」という習慣を意識してみてはいかがでしょうか。
喉の渇きは、体が水分を必要としているサインです。
そうなる前に、コップ1杯程度を一日に数回に分けてこまめに飲む習慣がおすすめです。
例えば、朝起きたとき、仕事の合間、お風呂上がり、そして寝る前などがよいタイミングでしょう。
3-2. ポイント②:水分と「電解質」を同時に補給する
夏の水分補給で、水分と同じくらい意識したいのが「電解質」です。
電解質は、汗と一緒に体外へ排出されやすい成分です。
塩分なども合わせて補給することで、体のバランスを保ちやすくなるでしょう。
そのため「汗をかいたら、水分と電解質をセットで」と意識することがおすすめです。
3-3. ポイント③:経口補水液の活用と簡単な作り方
大量の汗をかいたときや体調が優れないときには「経口補水液」の活用も考えられます。
経口補水液は、水分と電解質を効率よく補給できるように調整されています。
ご家庭で手軽に作れる経口補水液のレシピも、知っておくと役立つかもしれません。
※体調に不安がある場合は、医療機関にご相談ください。
【おうちで簡単・経口補水液】
- 水:1L
- 塩:3g(小さじ1/2杯)
- 砂糖:40g(大さじ4と1/2杯)
これらをよく混ぜ合わせます。
もし飲みにくさを感じる場合は、レモン果汁などを少し加えると、風味が加わり飲みやすくなるでしょう。
まとめ
本記事では、夏の水分補給に潜む「水中毒」のリスクについて、その原因から症状、具体的な予防策までを解説しました。
この夏の水分補給では「こまめに、電解質も一緒に」を心がけてみてはいかがでしょうか。
ただやみくもに飲むのではなく、ご自身の体調に合わせて、賢く水分補給を行いましょう。
日々の熱中症や脱水対策として電解質の補給が重要ですが、それと同時に、毎日飲む「水」そのものに着目することも、一つの選択肢となります。
毎日の水分補給において、水の質を意識することも大切です。
もしあなたが日々の水分補給の質にこだわりたいとお考えなら、リタハートインターナショナル株式会社の「リタアクア」という選択肢もございます。
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いつもの水分補給の選択肢の一つとしてご検討ください。
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