脱水症状といえば暑い夏に起こるイメージですが、冬場の「かくれ脱水」も要注意です。

 

冬は夏のように発汗しやすいわけではないため、自覚症状がなく気が付いたら脱水症状になってしまった、というケースがあります。

 

脱水症状は単なる水分不足ではなく、重篤な症状を起こしてしまうリスクがあることを忘れてはいけません。

 

今回は、冬に脱水症状が起こる原因や大切な予防策について分かりやすくご紹介します。

 

日々の生活の中で、小まめな水分補給を意識して予防していきましょう。

 

 

脱水症状が冬でも起こる3つの原因

 

 

夏は脱水症状を意識して水分補給をこまめに行う方も多いですが、冬場になるとその意識が薄れがちになってしまいます。

 

脱水症状＝夏というイメージが強いせいか、「なんで冬は暑くないのに脱水症状になるの？」と疑問に思う人も多いでしょう。

 

しかし、実際に寒い冬場でも脱水症状は起こります。

そのため、対策や意識を高めることが大切です。

 

冬に脱水症状が起こる原因について、代表的な3つを解説します。

 

 

空気の乾燥

冬の時期は寒いだけでなく、「空気が乾燥しやすい」という特徴があります。

 

湿度が低いため、手や顔などがカサカサになってしまった経験はありませんか？

天気予報の中でも、乾燥注意報というものがあるほど、冬場の乾燥は天敵です。

 

乾燥は気候によるものだけでなく、暖房器具による乾燥も要注意。

エアコンやストーブは室内を暖かくするために欠かせないものですが、暖房器具は湿度を低下させて、乾燥を促進してしまいます。

 

日常生活の中で、体内の水分が知らず知らずのうちに蒸発していき、脱水症状のリスクが上がってしまいます。

 

 

また、冬場は「寒冷利尿」といわれる現象も、脱水症状になる原因の一つです。

 

寒い時期は、体が血液を内蔵に集中させるため、血圧が上がりやすくなります。

 

血圧上昇により、余分な水分を尿として排出しようとするため、トイレに行く回数が多くなることが水分不足に影響を及ぼす原因です。

 

 

水分補給不足

冬場の脱水症状は、単純に水分補給が不足しているというケースもあります。

 

「寒いから冷たいものは飲みたくない…」

「温かいお茶を飲むことが多くなる…」

冬場にこのような気持ちになることは至って自然なことですが、水分補給が少なくなる原因でもあります。

 

温かいものを飲むことが多くなるかもしれませんが、夏場のようにゴクゴクと多くは飲まないでしょう。

したがって、水分量としては夏場よりもはるかに少ない量になりやすいです。

 

また、お茶やコーヒーは利尿作用が高いため、飲んでもトイレが近くなり、すぐに排出されてしまいます。

 

水分補給には通常の水や麦茶、スポーツドリンクだけでなく、ミネラルウォーターや水素水など、品質のよい水にこだわってみるのもおすすめです。

 

 

意識しにくい発汗

「冬場は寒いから汗をかかない」という認識は大きな間違いです。

 

実は、冬場でも汗をかいています。

ただし実感しにくいのが現実です。

 

冬場は、寒さによって体温が奪われないように、体が基礎代謝を上げます。

したがって、体は汗をかきやすい状態になっており、睡眠時や入浴時は思った以上の汗をかいています。

 

夏場のように汗が流れるということはあまりないため、発汗している実感が薄いのが「冬場は汗をかかない」と思いがちな大きな原因です。

 

汗をかく、かかないに関わらず、一日の中で水を飲む量を意識するとよいでしょう。

 

 

脱水症状の危険な症状

冬に油断しがちな脱水症状は、そのまま放っておくと危険なので、甘く見てはいけません。

 

冬場に原因不明の頭痛やめまい、足のつりなどを感じたことがある方もいるかもしれませんが、実は脱水症状が原因だった可能性があります。

 

夏場の熱中症と同じように、脱水症状も体に与える負担は大きいです。

 

脱水症状のチェックポイントと、引き起こる体調不良について解説します。

 

 

脱水症状のチェックポイント

かくれ脱水といわれる冬の脱水症状は、できる限り早く気が付くことが大切です。

 

脱水症状を見つけるチェックポイントは以下の3点です。

 

・口の渇きや尿の色

・頭痛や体のだるさ

・肌の乾燥状態

 

【口の渇きや尿の色】

口の中がネバネバしたり、唇がカサカサしたりするのは口が渇いている証です。

 

何をしている最中でも感覚的に分かるので、一番発見しやすいポイントになるでしょう。

 

 

また、尿の色も自分で見つけやすいサインがあります。

 

尿の色が濃い黄色になっているときは、水分不足のサインです。

 

起床して最初のトイレのときに、尿が濃い黄色になっていた経験がある方も多いのではないでしょうか。

 

寝ている最中に水分が蒸発して、水分不足になっていることが尿に現れているのです。

 

さらに、尿のニオイがキツイときもかくれ脱水の予兆となるので、トイレのタイミングは要チェックポイントです。

 

 

【頭痛や体のだるさ】

頭痛や体のだるさは、体内の水分不足で血液がドロドロしていたり、酸素の供給がうまくできていなかったりするときに生じるサインです。

 

脱水症状でよくある症状なので、原因不明の頭痛や倦怠感を感じるときは、少し多めに水分補給をしてみるとよいでしょう。

 

 

【肌の乾燥状態】

肌がひどく乾燥しているときは、湿度が著しく低くなっているかもしれません。

 

湿度が低く乾燥した環境は、口の中の渇きや肌の乾燥が起こりやすい環境です。

 

肌の乾燥を感じるときは、こまめな水分補給を意識しましょう。

 

 

脱水症状による体の不調

脱水症状は喉の渇きから始まり、頭痛、めまい、倦怠感、疲労、吐き気、食欲不振、足のつり、筋肉のけいれんなどの症状が次第に現れます。

 

水分補給をせずに放置していると、血圧低下や循環不全など重度な症状が出てしまうおそれがあるので、気を付けなくてはいけません。

 

 

また、冬の時期は寒さによって血管が収縮しやすい傾向があります。

 

血管が収縮することで血液の水分量が低下すると、ドロドロの血液になって血流が悪い状態になりやすいです。

 

ドロドロの血液は、十分な水分補給によって正常に改善できる部分なので、重篤な症状が現れる前に水分補給しましょう。

 

脱水症状は高齢者だけでなく、子どももなりやすいので気を付けたいポイントです。

 

 

【脱水症状が起きたときの処置】

脱水症状による体の不調を感じたら、休める体勢でゆっくりとこまめに水分補給をします。

 

できれば水分と合わせて、少量の塩分と糖分をとりましょう。

 

水分だけでなく、ゼリーやスープなどで代用しても問題ありません。

 

症状が治まらない場合は、自宅で対応するのではなく医療機関を受診してください。

 

容態が悪化してしまう前に、早めの処置を心がけましょう。

 

 

冬の脱水症状対策

 

 

冬の脱水症状を対策するには、小まめな水分補給と加湿をすることが大切です。

 

気が付かぬうちに、「かくれ脱水になっていた！」ということにならないよう、日頃から意識と対策をしておきましょう。

 

小まめな水分補給と加湿について解説します。

 

 

水分補給

こまめな水分補給は、かくれ脱水対策に有効です。

 

一度に大量に飲むのではなく、適量を一日の中で細かく分けて飲んでください。

 

 

【一日の中で適切なタイミング】

一日の中で、水分補給に適したタイミングがいくつかあります。

 

・起きたとき

・運動前やお出かけ前

・入浴前・後

・おやすみ前

 

特に、寝ている間や入浴中は汗をかくので、しっかりと水分補給をしましょう。

 

寒くて水を飲むのがツライときは、ぬるめの白湯がおすすめです。

 

上記で挙げたタイミングは特に水分を必要とするときであり、普段からこまめに水を飲む習慣を身に付けることが大切です。

 

 

【良質な水分補給】

水分補給といっても、過度に水ばかり飲んでしまうと水中毒になるリスクもあるので、ほどほどの量にするよう気を付けましょう。

 

一日の中で飲む水分量は、1.2リットルは必要とされています。

 

また、水分だけでなく適度な塩分も欠かせません。

 

スポーツドリンクは糖分が多いためあまりおすすめできませんが、水に少々の塩やレモンを加えると、栄養バランスのよい飲み物になります。

 

 

水は水道水でもかまいませんが、良質な水分補給をするために「水素水」もおすすめです。

 

水素ガスが水に溶けた水素水には抗酸化作用があり、体内の活性酸素除去に役立ってくれるとされています。

 

水素水の抗酸化作用は、美容業界や医療業界でも注目されており、アンチエイジング、代謝アップ、血液サラサラなどが期待されています。

 

基本的な水分補給をしつつ、美容・健康サポートができると、よりよい生活習慣になるでしょう。

 

 

加湿

冬場の室内湿度を測ってみると、20％くらいしかないことも珍しくありません。

 

冬の室内湿度は50％くらいを保っていると、快適かつ健康的な生活空間を維持できます。

 

室内の湿度が低く乾燥していると、体から水分が失われていき、脱水症状になる大きな原因になります。

 

適切な湿度が保てていると、冬場に流行しやすいインフルエンザなどの感染症対策にもつながります。

 

室内の湿度を保つ方法は、加湿器を使用するか、ぬれたタオルを干すだけでも加湿が可能です。

 

 

まとめ

｢冬に脱水症状は起こらないだろう…｣と油断している人も多いのではないでしょうか？

寒い季節は目立って汗をかくことが少ないので、水分不足に気が付かず「かくれ脱水」になってしまう人も少なくありません。

 

冬は乾燥しやすい季節であり、室内は暖房やストーブを使用することで、より一層乾燥しやすい環境になっています。

 

容態が悪化してしまうと、熱中症と同じように重篤な状態に陥る可能性があります。

 

頭痛、めまい、吐き気、疲労、足のつりといった症状だけでなく、血圧低下や循環不全などのリスクがあり危険です。

 

一日の中で一定の水分補給をする意識が大切であり、普通の水を飲むだけでなく、健康や美容面で期待されている水素水など、水の質にこだわってみるのもよいでしょう。